汨橋劇場
西 「ど、どういうことなんや、紀子はん・・・。」
紀子「さよならっ。」(乾物屋から走り去る。)
西 「わ、ワイは、ワイは当て馬やったんか!?」
(乾物屋の店先で立ち尽くす西。)
(そこへ身奇麗な女登場。)
葉子「ふふ、聞いていたわ西君、ずいぶん洒落た言葉をご存知なのね。」
西 「よ、葉子はん・・・。」
葉子「でもね西君、あなた、当て馬なんかじゃなくってよ・・・。」
西 「?」
葉子「あなた、当て馬というよりも、咬ませ犬、いえ咬ませブタだわ!。」
西 「何とでも言うて下さい。そしてもうワイのことは放っておいて下さい・・・。」
(力なく肩を落として乾物屋に入っていく西。)
葉子「西君、あなた悔しくないの!。見返してやろうとは思わないの!。」
西 「悔しくないわけ、ないやないですか・・・。でもワイには無理です。」
(そう呟いて乾物屋の奥に引っ込んでしまう西。)
葉子「西君・・・。」
(立ち尽くす葉子。しばし佇み、そして店頭から立ち去る。)